昆虫飼育昔話

モンシロチョウ

 幼稚園か小学生1・2年生ぐらいだったと思います。わが家の隣の家にはちょっとした畑がありました。商売としてではなく趣味の畑だったと思います。そこのキャベツには青虫が食べた穴がいくつも開いておりました。その青虫がモンシロチョウの幼虫であると図鑑で知った僕は、母とその青虫を何匹か捕まえてきました。青虫はキャベツにとっては害虫ですしね。黄緑色で太さ数ミリ、長さ数センチ足らずだったでしょうか。都合の良い飼育箱がなかったのでカップ麺の空き容器を洗い、その中に青虫とキャベツを入れ、網で蓋をしました。おそらく母は、すぐ死なしてしまうと思ってそんな入れ物にしたのでしょう。

 順調に幼虫は大きくなり、ある日それはさなぎになりました。透けるような実に綺麗な黄緑色のさなぎでした。今でも脳裏に焼き付いています。図鑑でしか見たことのないものを実物で見るという、その感動は子供にはあまりに大きいものでした。日に日にさなぎの中身は色が変化し、中にモンシロチョウが入っているのがわかりました。そしてある日、気が付くとモンシロチョウが1匹いました。蛹化(ようか:幼虫がさなぎになること)も羽化(うか:さなぎから成虫になること)も見れませんでしたが、うれしかったです。2つのさなぎのうち、1つは横向きだったのがいけなかったのでしょう。支えの糸が食い込み結局羽化はしませんでした。

 鳥や農薬の難を逃れて無事成虫になれたモンシロチョウは、その後わが家から厳しい自然へと飛び立っていきました。


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